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2012-05-08 (Tue)
「くちびるに歌を」   中田永一   小学館

長崎県五島列島のある中学合唱部が物語の舞台。合唱部顧問の松山先生は産休に入るため、中学時代の同級生で東京の音大に進んだ、元神童で自称ニートの美しすぎる臨時教員・柏木に、1年間の期限付きで合唱部の指導を依頼する。
それまでは、女子合唱部員しかいなかったが、美人の柏木先生に魅せられ、男子生徒が多数入部。ほどなくして練習にまじめに打ち込まない男子部員と女子部員の対立が激化する。夏のNコン(NHK全国学校音楽コンクール)県大会出場に向け、女子は、これまで通りの女子のみでのエントリーを強く望んだが、柏木先生は、男子との混声での出場を決めてしまう。
一方で、柏木先生は、Nコンの課題曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分に向けて手紙を書くよう、部員たちに宿題を課していた。提出は義務づけていなかったこともあり、彼らの書いた手紙には、誰にもいえない、等身大の秘密が綴られていた--。 (内容説明)



合唱部員たちの書いた手紙があちこちに散りばめられ、
いろいろな子たちの視点で物語が綴られていく。

新しい顧問の先生、新入部員達も加わって作り上げていく合唱。
Nコンまでの一学期間に、子ども達は成長する。
合唱だけではなく、人としても…。


私にもこんな中学時代があったなと、
懐かしい気持ちになった。
誰もがそう思えるような、そういうお話である。

読み終わった後、とても爽やかな気分になれた。



課題曲になっている「手紙」は、実際にNコンで歌われた。

 拝啓 この手紙読んでいるあなたが 幸せな事を願います

 アンジェラ・アキ「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」PV
 (追記に、三部合唱の動画があります)


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| 乙一・中田永一 | COM(0) | | TB(0) | |
2012-01-23 (Mon)
「吉祥寺の朝日奈くん」   中田永一   祥伝社

(内容紹介)収録作品
『交換日記始めました!』 恋人同士の圭太と遥が内緒で交わしていた交換日記。二人だけの秘密だったはずが…。
『ラクガキをめぐる冒険』高校二年のときにクラスメイトだった遠山真之介。五年後の今、不思議なことに同級生の誰も彼のことを憶えていないのだ。
『三角形はこわさないでおく』 ツトムと小山内さんと、俺。ツトムは小山内さんが気になり、小山内さんは…? 微妙なバランスの三角関係の物語。
『うるさいおなか』 私のおなかは、とてもひんぱんに、鳴る。そのせいでどうしても積極的になれなかった私の前に、春日井君があらわれて…。
『吉祥寺の朝日奈くん』 山田真野。上から読んでも下から読んでも、ヤマダマヤ。吉祥寺に住んでいる僕と、山田さんの、永遠の愛を巡る物語。



TVで中田永一の「くちびるに歌を」のCMを見かけて興味を持ち、
先にこの本を読んでみた。
以前に「百瀬、こっちを向いて。」も読んだことがあるが、
若い人向けの恋愛小説である。

最近はシリーズものとか連作短編集とかが多かったので、
そのつもりで読んでいたら、別々の短編だった。
登場人物に思い入れできるまでに時間がかかるので、
短編はちょっぴり苦手…^^;

でもどの作品もただの恋愛小説で終らずに、
どんでん返しのようなものがあって面白かった。

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| 乙一・中田永一 | COM(2) | | TB(0) | |
2011-06-25 (Sat)
「百瀬、こっちを向いて。」   中田永一   祥伝社

恋愛アンソロジー「I LOVE YOU」などで読書界を騒然とさせた話題の大型新人、初めての恋愛小説集。(「BOOK」データベースより)

大型新人・・・?!
まぁいいか。

実は、ある好きな作家さんの別名義だということで読んでみた。
先に読んだ息子達は、期待通りのものではなく、
中身も丸っきり違っていて、面白くなかったらしい。
名前を変えて書くということは、そういうことなのだろう。

でも私は普通に楽しめた。


「百瀬、こっちを向いて。」
自分の人間レベルは2程度しかないと自覚している男子高校生が、
90前後のレベルを持つ憧れの先輩に紹介されて、百瀬に出会う。
百瀬は自分とは正反対の女の子で、いつも振り回されている。

「なみうちぎわ」
遷延性意識障害者となって5年間眠り続けていた女性。
その障害を持つきっかけとなったのは、海での事故だった。
眠っていた5年間、変わらなかったものは・・・。

「キャベツ畑に彼の声」
いつもテープおこしをしている部屋の外には、キャベツ畑がある。
そして、そのテープから聞こえてきた声は、
芯がとおっていて、青空にひかれた飛行機雲のようだった。

「小梅がとおる」
顔がととのっていたために、人間不信になってしまった女の子。
今はとにかく目立たないように、日々をすごしている。
そんな彼女の前にあらわれたのは、元気あふれる男子だった。



どの作品も、自信を持てない男の子・女の子の恋が描かれている。
だからこそ「最後はうまくいってほしい」。
そう思いながら読んだ。
後味の悪くない恋愛小説だった。

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2007-08-29 (Wed)


「失踪HOLIDAY」  乙一  角川スニーカー文庫  8/29読了



14歳の冬、ナオは家に帰らなかった。
母屋の隣にある離れにこっそりと隠れ、自分の部屋を覗く毎日・・・ 

自分がいなくても、家族たちは楽しそうに笑っている。
それを聞いてナオは誘拐を思いつく。
狂言誘拐はうまくいくのか・・・

父も母も血が繋がっていないナオは、
ワガママなお嬢様ではあるが、やはり寂しさを心に秘めているのだろう。
古くて狭い部屋に安らぎを見つける。

6年以上前の本なのに、携帯電話やDVDプレーヤーが出てくる。
しかも携帯電話はなくてはならない小物だ。
今あって当たり前のものがない時代だったら、
この物語はまた違うものになるのだろうか? 
携帯電話・・・ 便利になったものである。

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2007-08-13 (Mon)
「失はれる物語」   乙一  角川文庫


つい先日読んだ『Calling You』『傷』を含む8編の短編集。

表題の『失はれる物語』は、
事故で右腕から先だけ感覚の残った男性の話。
自分の意思で動くのは人差し指のみという。
意識はしっかりしているのに、それを伝えられないもどかしさ・・・。
最後の決心はわかるような気がする。

『手を握る泥棒の物語』
伯母のバッグを盗もうとして失敗し、
自分でデザインした腕時計をなくしてしまった泥棒。
その腕時計を持っていたのは・・・。
人のいい優しい泥棒の物語である。

『しあわせは子猫のかたち』
姿は見えないが気配だけ感じとれる女性。
彼女は幽霊なのか?
人嫌いの主人公が彼女と出会い変わっていく。
子猫はしあわせの象徴なんだと思う。
子猫が自分に懐くようになった時、彼女に対して感謝の気持ちを表した。

『マリアの指』
電車に轢かれたマリアの指を猫が咥えてきた。
その指を大事に保存する主人公。
人を愛するって難しい。
それぞれの愛が重い・・・。



この乙一という作家は、まだ二十代の若者である。
本屋で平置きされているので知っている人も多いと思うが、
独特の雰囲気を持った作品を書く。
人嫌いの登場人物が変わっていく様は、作家本人の経験なのだろうか。
人を信じるということ、人を愛するということ・・・。
年代を超えてわかるような気がする。
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