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2007-11-16 (Fri)


「ネコはなぜ生きる」 ディーン・リップルウッド 絵:吉沢深雪  幻冬舎  11/15読了


秋になり人のいなくなったペンションに暮らすタマとミケ。
そこに現れた父親を探しているというシャルバンと共に旅に出ることになる。
途中で出会ったキツネのスターンも加わり、旅を続ける。
三匹のネコとキツネは旅をしながら、お互いを知り、考える。

そして宇宙の騎士クランツと会う。
前を通り過ぎる時に彼は問う。
「汝、幸か不幸か」

森を抜けるための道案内としてクランツも旅に加わる。
そして夜、順番に見張り番をしながら宇宙の騎士と話をするネコ達。
そこでまた彼は問う。
「汝、幸か不幸か」。
それぞれが自分のことを考える。
そしてそれを読みながら私も自分のことを考えていた。
「私は幸か不幸か」・・・

やがて旅は終わる。
その時ネコとキツネは新しい旅に出る。



可愛らしいネコの絵と共に絵本のように簡単に読むことのできる本だが、
考える時を与えてくれた。

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2007-11-13 (Tue)


「小袖日記」  柴田よしき  文藝春秋  11/12読了


源氏物語を題材としたタイムトラベラー的恋愛推理小説。
ひとことで言おうとすると、こんな感じになる。
題名だけ見て時代小説だと思い込んでしまったが、
読み始めてみるとタイムトラベルの話だとわかる。
もちろん源氏物語を題材にしているので恋愛も絡んでくる。

主人公は現代から平安時代に中身だけタイムトラベルをしてしまった女性。
身体は小袖という名で、
源氏物語を書いている香子という宮中に仕える女官の世話係をしている。
そして物語の題材を集める役割もはたす。
つまり源氏物語はふたりの合作という設定である。

「夕顔」「末摘花」「葵」「明石」「若紫」の五章から成っていて、
それぞれが源氏物語の各章の謎解きをしている。
女性は待つだけであった平安時代ではあるが、
それぞれの章に出てくる女性たち皆、人を愛することに真剣である。

私は、
「添い遂げたいと思う方に添うて一生を終えるのが幸せ」
だと感じた明石の君が好きだな。

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2007-11-09 (Fri)


「所轄刑事・麻生龍太郎」  柴田よしき  新潮社  11/9読了


同じ推理小説でも猫の正太郎とは全然趣が違う。

推理小説というよりは警察小説かもしれない。
読者が推理する部分は少しもなく、
麻生刑事が解く事件が綴られ、その人物像が浮き彫りになってくる。

この主役である麻生龍太郎は緑子シリーズに登場した探偵であり、
今回はそれ以前の刑事だった頃が描かれている。

柴田よしきの描く人物には、同性愛者の男性が何人かいる。
それが物語の中でどのように作用しているのか・・・。
別に同性愛じゃなくてもかまわないのではないか。
それとも、それが物語に深みを出しているのか。
疑問である。

でも真っ直ぐで、どこかおっとりしたところのある麻生龍太郎という人物、
私は好きです。

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2007-11-03 (Sat)
「刀語(第三話 千刀・金殺)」   西尾維新  講談社BOX


題名の金殺はこれで一文字で「つるぎ」と読ませている。
四季崎記紀の完成形変体刀12本のうちの三本目の所有者は、
出雲にある武装神社・三途神社の長、敦賀迷彩。
彼女は元山賊で、彼女以外の巫女千人が千刀・金殺を一本ずつ持っている。
敦賀迷彩と戦って勝てば千刀が手に入る。

三途神社は百段の階段の上に建つ。
物語は、その階段を上るところから始まる・・・

とがめは鑢七花を自分の刀であると言う。
刀を持たない虚刀流の剣士・七花は刀そのものである。
二人の関係は、
共に旅をするうちに刀とその持ち主とにおさまった感じがする。

とがめと七花、そして敦賀迷彩の三人は、
二十年前の大乱の犠牲者という共通点を持つ。
しかし進んだ道は、それぞれ違った。
そしてまた、ここで出会う。
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